「なんとなく元気がない」は、ほっとかないで!

こんにちは、Ken-D(けんでぃー)です。

前回は、解熱薬の使うタイミングについてお話しました。そこでも出てきた「なんとなく元気がない」というときについて今日はお話します。

not doing wellはキーワード

さて、じつは小児科の救急系の教科書にはほとんどに、この”not doing well”というキーワードがみられます(なぜかここは英語なんですが)。

日本語で、「なんとなく元気がない」ことを指します。

お子さんが40℃の発熱があってあきらかにぐったりしているときは、ほとんどの人が見ても元気がないことがわかりますよね。

しかし、言葉で不快感や痛みを表現できないお子さんにとって、普段と違い「泣き止まない」「過敏になった」「抱っこしないとぐずる」「遊ばない」「笑わない」など含め、保護者のみなさんが「なんとなく元気がない」というのは、重要な情報になります。

どんな病気が考えられる?

「not doing well」だけで考えると考えられる病気はたくさんあります。頭蓋内出血や重症感染症から、虫刺されまで幅広い病気があげられます。

そのため、まずは、問診、身体診察や検査で色んな情報集めをするわけです。

重要な病気

  • 重症細菌感染症(敗血症、細菌性髄膜炎、化膿性関節炎、尿路感染症など)
  • 低血糖などの代謝にかかわる病気
  • 頭蓋内出血などの頭の中の病気
  • 心不全
  • 腸重積、イレウスなど腹部の病気
  • 外傷

などがあげられます。見た感じでも、ちょっと怖そうな病の名前が並んでいますよね。

これらは、必ずしも入院とはならないかもしれなくともすぐに受診するべき病気となります。

どんなことを聞かれる?準備するものは?

医師の立場からお話ししますと、「not doing well」を主訴としたお子さんが受診するとなったら、可能な限りいろんな情報を集めなければ、という気持ちになります。

ぜひ持ってきてほしいのは母子手帳と、お薬手帳です。

意外かもしれませんが、母子手帳は予防接種やこれまでの成長発達の経緯など、たくさんの情報があり、小児科医ならまずチェックしたくなるものの1つです。

例えば、予防接種を打っていない、という事が分かれば、重要な細菌である肺炎球菌やインフルエンザ桿菌などの感染症かもしれない、と思うわけです。

それから、聞かれることとしては、今まで病気した過去があるかとか、新しい薬が始まったばかりなのかとか、いつから元気がないのか、ごはんは食べてるか、いつうんちしたか、、などなど可能な限りの色々な質問をされると思います。

できるだけ、たくさんの情報が必要なのでぜひ協力してくださいね。

経験談

ここまで、少し怖くなるような病気ばかり列挙してびっくりさせるような病気ばかりあげてしまいましたね。ただ、どの小児科の教科書にも書いてあって、それだけ重要だと念押しされています。

実際には、予防接種が広まったことで細菌性髄膜炎はかなり減ってきており、遭遇してしまうことは稀、といってもよいかもしれません。

筆者の経験であったのは、生後4か月頃のお子さんで、「ずっと泣いていて、ミルクを上げてもいつもと違って泣き止まない」という主訴のお子さんが救急にこられました。

いろんな情報を聞きましたが、特に問題ないし、熱もあるわけではない。胸の音も問題ないし、ミルク自体は飲めている。

うーん、なんだろう、、、と思いもう一度しっかり全身をくまなく診察すると、ほそーい髪の毛が指に絡まっていて、きつく結ばれてしまっていたことがわかりました。

これは、ヘアターニケットといって、抜け毛や洗濯の糸クズなどが、赤ちゃんの手を握る反射(把握反射)によって絡まってしまうことです。まあまあよくありますが、じつはほっておくと血流が妨げられてしまい、指先が赤くはれ上がったり、最悪の場合、壊死してしまうこともあります。

その時のお子さんは、幸い指先の色が変わったり腫れたりすることもなく、小さな処置用のハサミで切ってあげて事なきをえました。

最後に

”熱もないけれど、なんとなく元気がない、いつもと違う”

こんな時はどうしていいかわからず、困りますよね。これまで書いたように明らかに命にもかかわるかもしれない病気から、命にはかかわらずとも緊急性の高い病気も幅広く考えられます。

おかしい、と思ったら受診するのをためらわないようにしてくださいね。

ではまた次の投稿でお会いしましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました