こんにちは、Ken-D(けんでぃー)です。
前回は、お子さんの夜中の発熱に対して、受診の目安をお伝えしました。今日は、解熱薬のつかいかたを一緒にみていきましょう。
Fever phobia(発熱恐怖症)とは?!
みなさん、普段元気なお子さんが、熱を出してしまったら多かれ少なかれ、びっくりしますよね。
僕も、自分自身の発熱ならともかく、自分の子どもが熱を出すと(大丈夫とはわかっていても)ハラハラするもんです。できれば、熱を下げて楽にしてあげたい、と思うのはごく当然のことです。
大学病院などで夜間救急をしていて、
「40度も熱があったら、脳症とか、脳に何かわるいことが起きないですか?」
「解熱薬って6時間毎ですよね?1日4回必要ですか?」
という質問はとても多いです。めちゃくちゃ、気持ちはわかります。
この、「38度を超えたら危険」だったり「熱は必ず下げなければならない」というのは実は正しくありません。米国のガイドライン(AAP;American Academy of Pediatrics)では、これをFever phobia(発熱恐怖症)とよび警鐘を鳴らしています。
発熱は有害か?
こどもが熱を出すときは、多くは何らかの感染症ですが、多くの感染症において、発熱は免疫反応の一部であります。つまりウイルスや細菌にとって、熱がある状態というのは非常に居心地の悪い環境なのです。
そして、発熱自体が脳障害や死亡を引き起こすというエビデンス(科学的根拠)はありません。
つまり、熱は出ていること自体は至って普通の反応であり、防御反応としてはとてもいいことなのです。
解熱薬を使うタイミング
「なるほど、熱がでるのはわるいことではないのか。いやまてよ、それでも熱が高くてぐったりしてるじゃないか。食欲もなさそうだし、つらそうでこのままじゃかわいそうじゃないか!」
こんな意見がとんでくるかと思います。そうです、ここで初めて解熱薬の出番なわけです。
何か言いたいかというと、困るのは、熱が原因でぐったりしてつらそうだったり、食事や水分が摂れなくなってしまうことなのです。
解熱薬を使用すると一般には0.6℃~0.8℃前後、体温が下がるといわれています。大体一番下がるのは2~3時間後で、解熱効果自体は4~6時間持続するといわれています。
そうなんですよ。39.0℃の熱に対して解熱薬を使っても、期待できるのはせいぜい38.0℃ぐらいまでなんです。(もちろん、個体差があるので、36℃台に下がる場合もよくありますが)
じゃあ、解熱薬はなにを期待しているのか?それは、
こどもの不快感をやわらげること
です。39.0℃のお子さんが解熱薬を使って38.0℃になって、一番大事なのは「なんかさっきよりもちょっと楽そうになったな」「ちょっとお水飲む元気が出てきたな」「寝苦しそうにしてなかなか寝れなそうだったけど、寝れるようになったな」という事なのです。
こども不快感、と書いたのは、解熱薬には鎮痛作用もあるので、例えば喉や頭が痛い、という訴えにも効果があるからです。まとめると、解熱薬を使うタイミングは
- つらそうな時
- ぐったりしている時
- 痛み(喉が痛い、頭が痛い)がある時
- 水分摂取やごはんが食べれない時
となります。
最後に
解熱薬をつかうタイミングについてなんとなく、わかりましたでしょうか。
医療者も勘違いしている人がいますが、あくまでも病気を早く治すものではないこと、熱を下げること自体が目的ではないことはポイントだと思います。
また、そのうち記事にしようと思いますが、熱があるときに熱性けいれんを起こすお子さんがいます。しかし、解熱薬は熱を下げたとしても、熱性けいれんを予防する効果はないので、これも注意です。
少しずつ正しい知識を一緒に学んでいきましょう。また次回の記事でお会いしましょう。

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