こんにちは、Ken-D(けんでぃー)です。
さて前回はゼーゼーについてお話ししていきました。今回は、発熱のテーマの時にも少し出てきた、けいれんについてお話ししていきましょう。大学病院で当直をしていて、救急車で運ばれてくるお子さんで最も一般的な病気といっても過言ではありません。さっそく、勉強していきましょう。
熱性けいれんとは
熱性けいれんという言葉自体は、なにかと聞いたことあるかもしれません。熱性けいれんとは、「主に生後6か月~60か月までの乳幼児に起こる、通常は38℃以上の発熱に伴う発作性疾患で、病歴や診察上、髄膜炎などの中枢神経感染症、代謝異常、その他明らかな発作の原因のみられないもので、てんかんの既往のあるものは除外される」と定義されます。熱性けいれん自体は良性で、小児期になんどか繰り返しても、基本的に大人になって後遺症がのこるものではありません。
ここまでで、いや、定義長!!と思うでしょう。本当にその通りですよね。しかし、この定義は大事なポイントのすべてを物語っているといっても過言ではありません。わかりやすく解説していきましょう。
こどもの脳は、まだ未熟であり発達段階です。特に”興奮しやすい”構造となっています。この辺は、もしかしたら直感的に感じることもあるかもしれませんね。
そこに、何らかのウイルス感染などで熱がある状態になると、さらに興奮しやすくなり、けいれんを起こすことがあります。これがいわゆる熱性けいれんなのですが、大事なポイントがあります。
熱性けいれんは除外診断
「要するに、熱性けいれんはこどもの時に発熱したときにけいれんすることでしょ?」と思うかもしれませんが、半分正解で半分まちがい、です。
もちろん我々小児科医も、1歳ぐらいで、発熱したその日の夜にけいれんしました、と言われたら、真っ先に熱性けいれんを想定します。しかし同時に、「ヤバい病気ではないか?」を考えています。
発熱+けいれんをきたす病気のトップ4はこれです。
①髄膜炎、脳炎
②急性脳症
③てんかん
④熱性けいれん
もちろん他にもありますが、救急外来で真っ先に想定するのは、まずはこのぐらいかなあと思います。
様子するに脳炎とか髄膜炎のような緊急性の高い病気ではないか、をまず考える必要があり、それらを否定できれば熱性けいれんか、という診断になる。そのような理解がいいと思います。
自宅でけいれんしたときの対応は
熱性けいれんとは何たるか、をざっくりとお伝えしましたが、一番気になるのは、何はさておき自宅でけいれんしたらどうすればいいの?ということですよね。実際にそれが重症な病気なのか、熱性けいれんなのかに関わらず、対応は同じです。
①横に寝かせる。さらに顔を右か左に向けて、よだれは嘔吐物がのどに詰まらないようにする
②呼びかけて意識を確認する
③口の中に指や物を入れないようにする
④余裕があれば、スマホなどでけいれんの様子を撮影する
⑤5分以上けいれんが持続した場合は救急車を呼ぶ(個人的には5分未満でも呼んじゃっていいです)
となります。けいれん中は本人の意識はありません。呼びかけても反応はないはずです。逆に手足は震えているけど、呼びかけて反応がある(例えば、「寒い?」と呼び掛けて「うん」などと返答する)場合はけいれんではなく、シバリングと呼ばれる震えかもしれません。
そして、余裕があれば動画撮影をする理由としては、そのけいれんの様式が、小児科医からみて「よくある熱性けいれん」なのか、あるいは「典型的ではなく、注意すべきけいれん」なのかの判断をする材料となるためです。
Ken-Dのひとこと
今日は熱性けいれんの一番基本的な概念と、自宅で起きてしまったときの一般的な対応について触れてきました。筆者も、自分のこどもが熱性けいれんを起こしたことがありますが、横にして動画を撮りながら、動揺する妻の隣で冷静ぶっていましたが、心中は「止まらなかったらどうしようかな」と正直焦りました。短い時間でおさまったので良かったですが、医者ですらけいれんを目にしたらそうなります。
大事なのは、事前に知識を蓄えておいて、心の準備をすることかもしれませんね。
それでは、また次の投稿でお会いしましょう!

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