
こんにちは、Ken-D(けんでぃー)です。
日常診療でこんな場面があります。
保護者「39度台の高熱が続いていて、、でも咳や鼻水はないです」
小児科医「喉が赤く腫れてますね。ちょっと、喉の検査をしてみましょう。むむ、溶連菌陽性でした。抗生剤10日分出しますので、毎日飲んでくださいね。」
というわけで、今日は毎日の小児科診療でよく遭遇する溶連菌感染症についてお話していきましょう。
溶連菌とは?
溶連菌感染症とは、A群β溶血性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)による、急性の感染症が主で、幼児期~学童期にかかりやすいです。
多くは咽頭炎や扁桃炎といった、いわゆる喉カゼ、となることが多いですが、中耳炎や肺炎、皮膚の感染症、感染性心内膜炎、腎炎、またチックや精神障害など色々な病態を呈します。とりあえず、実は厄介な細菌感染症と思っていいと思います。
なかには劇症型溶連菌感染症というものも聞いたことがあるかもしれません。全身の重症な感染症で致命的になることもあります。
溶連菌による急性扁桃咽頭炎について
ともあれ、最も多いのは先ほど述べた咽頭炎、扁桃炎なのです。
たいてい、発熱とともに喉が赤くなり、扁桃という喉のリンパ組織がたくさん詰まっている部位が腫れてきます。もともと子どもの扁桃は大きいですが、溶連菌によりさらに腫れてきたり、白苔という白い膿のようなものが付着していたりもします。
頸部のリンパ節の腫れや、体の発疹を伴うこともあります。
クリニックや外来などで、このような特徴のお子さんが受診してきたら、「溶連菌かな?」と疑って、検査をします。検査は、簡便なキットがありますので、喉をグリグリとぬぐって検査することが一般的です(教科書的には咽頭培養で診断とも書いてありますが、普通クリニックでは培養できないので)。
治療はどうするの?
さて、迅速キットで溶連菌陽性となり、溶連菌感染症と診断されると、ほとんどの場合で抗生剤の内服をしましょうといわれます。
最もスタンダードな抗生剤として、アモキシシリンなどペニシリン系の内服を1日3回、計10日間処方されます。
お子さんが溶連菌感染症になった経験がある方は、実体験があるかもしれませんが、たいてい抗生剤を内服し始めるとスっと熱が下がっていきます。熱が下がって1日経過してしまえば、保育園も通園可能ですのであとは普通の生活!となることが多いです。
ここで注意点なのですが、熱が下がって元気になったとしても抗生剤の内服を途中でやめてはいけません。ちゃんと10日間飲み切ってください。
抗生剤飲み切ってほしい!その理由
「え~、もう元気なんですけどね。。まだお薬必要ですか?」
「うちの子はお薬が苦手で、1日3回飲ませるのも結構大変なんです」
という声が聞こえてきそうです。めちゃくちゃ気持ちはわかります。ただし、溶連菌がやっかいなのは、一度かかったあとの合併症なのです。つまり溶連菌をちゃんと退治しないことで遅れてやってくる合併症を予防するために抗生剤10日間と決められているのです。
合併症としては急性糸球体腎炎、リウマチ熱などがあげられます。
現在ではもうルーチンでは行わなくなりましたが、以前は溶連菌で受診したすべてのお子さんに対して、2週間後に再診してもらって尿検査で血尿がないか(=腎炎の指標)を確認していました。
急性糸球体腎炎になると、基本的に長期間の安静が必要なので入院ですぐには退院できません。高血圧など大変なさらなる合併症も起きたりします。これらの予防のため、しっかり飲み切りましょう。
Ken-Dのひとこと
溶連菌感染症はただの喉カゼ、のように思えるかもしれません。確かに抗生剤なしでもやがて自分の免疫力によって症状が改善することもあるでしょう。
抗生剤10日間内服がスタンダードではなかった時代には、急性糸球体腎炎に至ってしまう例が多くみられていました。現在では、稀な存在となっていますが、それでも定期的に溶連菌感染後に糸球体腎炎になってしまうお子さんもいます。
抗生剤内服には、未来のトラブルを減らすための10日間の意味があると、考えてよいと思いますね。
それでは、また次回の投稿でお会いしましょう!
*この記事は一般的な情報提供を目的としています。症状が気になる場合は医療機関へご相談ください。

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