こんにちは、Ken-D(けんでぃー)です。
前回までは主に発熱関係についてお話してきました。実際、こどもの発熱で多くの保護者の方が悩まれるので、前回までの記事をぜひ参考にしてください。
今日はおなかが痛いといわれたときについてお話しましょう。
「おなかが痛い」訴えについて
大前提の話ですが、子どもは上手に自分の症状を訴えることができません。
自分で「おなかが痛い」と訴えることができるのは、大体3歳くらいからですが、3歳未満ではおなかが痛いことをうまく訴えることはできないでしょう。
なので、3歳未満では、前回お話しした「なんとなく元気がない」とか「いつもより過敏だ」「泣いている」などから始まり、診察を経て「腹痛かもしれないな」と推測します。
今回は少し大きくなって(3歳以上ぐらいで)、なんとか「おなかが痛い~」と訴えてきたお子さんをどうみるか、のお話としましょう。
腹痛のポイント
このブログでは受診の目安をお伝えするのがメインテーマの一つですので、まずはどんな腹痛がすぐに受診すべきなのかをみていきましょう。
すぐに受診したほうがいい腹痛の特徴
- 痛がって泣いてしまう
- どんどん強くなっていく痛み
- 歩くのを嫌がる、体を丸めて動かない
- 嘔吐を繰り返す
- おなかを触ると強く痛がる、嫌がる
- ぐったりしている
- その他(発熱している、血便など)
などです。小児の救急外来では多くは、この中のどれかに当てはまったため受診することが多いです。
もちろん、上記にあてはまるからといって必ずしも入院が必要とか手術が必要とかっていうものではありませんが、緊急性が高い可能性がありますので、受診は少なくとも早くしたほうがいい、というポイントになります。
緊急性が高い病気とは、腸重積症、虫垂炎(いわゆる盲腸)、細菌性胃腸炎、精巣/卵巣捻転症などです。腹痛の経過や受診時の様子次第な部分はありますが、レントゲンやエコーなど画像検査を行い、診断をつけていきます。
腸重積症というのは、腸(主に小腸から大腸に移行する部分に多い)がハマるように重なってしまい、重なった部位の血流がわるくなり結果的に壊死してしまう可能性がある、非常に怖い病気です。見逃してしまい時間がたってしまうと、手術で重積した腸管の部分を、広く切らなくてはいけなくなります。
虫垂炎も、最初は見逃しやすく診断が難しい場合もありますが、時間がたつと腹膜炎といって腹部の中全体に炎症がばらまかれてしまう恐れがあり、手術が難しくなってしまうことがありますので、早期の治療が必要です。
細菌性胃腸炎に関しては、嘔吐や下痢を繰り返すことによって容易に脱水症をきたしてしまいます。
精巣捻転は12~18歳ぐらいに多く発症しますが、発見が遅くなると、最悪の場合精巣を一つ手術で摘出しなくてはならなくなります。発症後6~8時間で壊死が進行するといわれており、緊急手術が必要です。卵巣捻転は6歳以降の女児の鋭い下腹部から発見されることが多いですが、こちらも緊急性が高いです。
実際に多いのは?
またまた怖い病気をずらっと並べてしまっていますが、本当にいざというときにはスピード感を持って受診する必要がありますので、いつもと違う腹痛の訴えがあったら注意しましょう。
さて、小児科では腹痛で受診される方は非常に多いですが、実際に多いのはなにかというと、
ほとんどが「便秘」です。
腹痛で受診される小児のうち、7.8割が便秘といっても過言ではないかもしれません。便秘といったら「なあんだ、便秘か」と思う方も多いかもしれませんが、便秘もかなり痛がります。歩けないとか、嘔吐につながる場合もあります。画像検査をしてみないと、先ほどの緊急性の高い疾患と鑑別できないことも実に多くあります。
保護者のみなさんには、ぜひ「最後に排便したのはいつか」「いつもどのくらいうんちが出ているか」「硬いのか、それともいつもやわらかいのか」など普段からみてもらえるといいかなと思います。
便秘の場合は、レントゲンもしくはエコーで便の貯留を確認したり、浣腸をしてみて実際に出た便の硬さや大きさの確認、また一緒に血便が出てこないか、などを確認します。
シンプルな便秘だと、浣腸して排便したあとは、ずっと泣いていた子がケロッとした顔で診察室をあとにします。その時点で「あ、よかった、じゃあ便秘症でまちがいなさそうだな」と確信することが多いですね。
最後に
いかがでしたか?
小児の腹痛の訴え、というのはいろんな病気が考えられるので、もっともっと奥が深いのですが、
頻度的には便秘が多いこと、そして緊急性が高い腹痛の時は先ほど列挙したような状態が一緒にみらえることが多いことを抑えておくといいですね。
それではまた、次の投稿で!

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